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sightseeing room #05

蓄光テープ, センサー , タイマー, その他
サイズ可変 / Space size  H : 2700 × W : 3000 × D : 4000 mm
犬屋敷
2012

写真: 北村光隆
制作協力 : 犬屋敷 , 相良和弘 , 髄
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とある建物に辿り着き、階段を上りハッチを開け、人が一人ようやく入れる入口から室内に入る。その先に広がるのは完全なる暗闇の異空間。私たちはそこで、空間そのものと自分自身の知覚を経験し、知覚の境界を揺らぐ。
暗闇の室内に入ると、目の前には煌煌と緑色に光る巨大な壁が立ちはだかる。室内は完全な暗闇に覆われ、どこまでが奥行でどこまでが側面なのか、まるで分からない。自分の姿すらも見えないために、自分がどこに立っているのかさえも分からない。自分の所在を探し求めるかのように、目の前に見える壁に向かって手を伸ばす。しかし、差し出した手はその壁を通り抜けてしまう。その瞬間、目の前に在ったはずの壁は取り払われ、開かれた空間へと化す。 

次第に視覚が慣れてくると空間の様子が朧げに見えはじめ、ラインより手前側の空間を確認できる。しかし、奥側の空間はどんなに時間が経っても視認することができない。鑑賞者は自分自身の視覚と認識のずれを経験する。

見えているものと、その本質の間に生じるずれ。
実際にはないのに見えてしまう壁。
その壁を私たちは無意識のうちに「創造」してしまう。しかし、さらにそれを「想像」に変えることで、まだ見ぬ空間へと押し拡げることができるだろう。
何も見えない先の向こうに、拡がりを求めるかのように。